歯茎が腫れた時、すぐに出来る5つの応急処置と原因別の治療法をプロが解説!

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前岡遼馬
このコンテンツは、現役の歯科医師がお口の健康に関する話をできるだけわかりやすい言葉を使って解説するブログ記事です。当サイトの運営はこちらの運営理念に沿って行われています。

「歯茎が急に腫れきた!」

そんな状況になると心配になりますよね?

  • 自然に腫れが引くのを待つか
  • 痛みが出るまでは様子を見るか
  • 勝手に治るのを待つのか

などと色々考えてみるものの、不安は尽きないと思います。

「放置している間に病気が進行したらどうしよう・・・」という心配も出てくるかも知れません。

そこで今回は、そんな不安を取り除くために、「歯茎が腫れた時に自宅で出来る応急処置と原因別の治療法」について解説したいと思います。

もちろん、「歯医者に行けば、即解決!」なのかも知れませんが、受診前に出来ることはたくさんありますし、正しい知識を持っておくだけでも安心感はまるで違います。

是非、最後までじっくり読んでみて下さい。では早速いきましょう!

自宅で出来る5つの応急処置

先ずは自宅で出来る5つの応急処置を見ていきます。1つ目から順番に実践してもらえるとより効果的です。

ステップ1、痛みがあれば市販の痛み止めを飲む

歯茎が腫れるのと同時に痛みがあれば、我慢せずに市販の痛み止めを飲んで下さい。

バファリンやロキソニンSなどの薬局でも買える痛み止めで十分効果があります(歯医者で処方される痛み止めに成分が近いため)。

痛み止めが歯茎の腫れに対して影響を与えることはないので、安心して使用して下さい。

普段からたくさんお薬を飲んでいる場合は、念のため薬局の薬剤師さんにお薬手帳を見てもらうのをオススメします(相互作用のチェックのため)。

痛みがあると精神的に疲れてしまいますし、この後に説明する応急処置も実践しづらくなってしまうので、不快な症状は早めに取り除いておきましょう。

もちろん痛みがなければ、ステップ2にそのまま移って大丈夫です。

ステップ2、食事をたくさん摂る

痛みを取り除いた後は、栄養の補給です。

歯茎が腫れるということは、何らかの炎症が起こっているということ。この炎症を抑えるために必要なのは、カラダの免疫力を高めることです。

そのために有効なのが、「たくさん食べること」。栄養補給によって免疫細胞の働きを活発にしてあげるわけです。

よく、「痛いから何も食べられなくて・・・。」という方がいますが、食べないと余計に腫れる可能性が高いんです。

痛み止めを使用しても痛みがある場合はお口が開きづらいかも知れませんが、栄養ゼリーでも何でもいいので、食べられるものをたくさん口にして下さい。

「普段よりも多めに食べる」くらいが丁度いいと思います。どうしても食べられない場合は栄養ドリンクなどの飲み物でも構いません。

ステップ3、睡眠をたくさん取る

これはステップ2の延長ですが、カラダの免疫力を高めるために睡眠時間もしっかり確保して下さい。歯茎が腫れている時には無理をせずに早めに就寝し、8時間くらいは寝るようにしましょう。

特に夜はスマホなどを見ながらダラダラと過ごしてしまいがちですが、午後10時〜午前2時までの睡眠のゴールデンタイムを逃さないようにすると一層効果的です。

補足
午後10時〜午前2時までのゴールデンタイムでは成長ホルモンが盛んに分泌されます。このホルモンは傷付いた細胞を修復したり、疲労を回復するために有効な働きがあります。

ぐっすり寝るためにもステップ1でしっかり痛みを取り除いておくことが大切になってきます。

ステップ4、歯茎を傷付けない歯磨きをする

次に実践したいのは、正しい歯磨きです。

歯茎が腫れている歯を磨くのは怖いと思いますが、そのまま放置していると歯の表面にプラーク(細菌の塊)が溜まり、炎症が強くなりやすい環境になってしまいます。

普段よりもよく鏡を見ながら、歯の表面だけを優しく磨いて下さい。柔らかい歯ブラシをオススメすることもありますが、歯に当てる力加減が難しいので「ふつう」の硬さの歯ブラシで大丈夫です。

正しい歯磨きに関しては、

歯医者も出来ない!?本当に正しい歯磨きの仕方をイラストと写真で徹底解説!

で確認してみて下さい。

また、歯茎が腫れているからと言って、歯茎をマッサージするようなことはしないで下さい。

そもそもの歯磨きの仕方として歯茎マッサージはほとんど効果がありませんし、腫れている歯茎の表面を歯ブラシで傷付けてしまうだけなので注意が必要です。

ステップ5、うがい薬で細菌の増殖を抑える

ステップ1〜4を実践した上で、最後に行うべきなのが「うがい薬でお口の中をゆすぐこと」です。歯磨きほどの効果はありませんが、細菌が増殖するのを抑える働きがあります。

使用するうがい薬は、刺激が少なく、アルコールを含んでいないものがオススメです。

僕はこちらのコンクールを出すことが多いのですが、”イソジン”でも問題ありません。コップの水に数滴垂らして使用します。寝る前に行うのが最も効果的です。

この時、リステリンなどの刺激が強いうがい薬は避けて下さい(痛みが強くなってしまう可能性があります)。

やってはいけない応急処置

応急処置の最後に「やってはいけない対応」も紹介しておきます。

歯茎が腫れた時にやってはいけないのは、「患部を冷やす」ということ。痛みを取るために実践する方も多いのですが、後に歯医者で抗菌薬を処方された時に薬が効きづらい環境を作ってしまうことになります。

元々痛みは患部に炎症が起こって血液が集まり、周囲の組織を圧迫することによって生じます。

そこで痛みがある箇所を冷やすと、血管が収縮して血液の流れが抑えられるために症状が緩和するわけです。ただ、痛みが取れる反面、血液に乗って運ばれる薬の作用が発揮されづらい環境を作ることにもなります。

基本的に痛みが強い場合は、痛み止めによって症状を抑えることが大切です。

歯茎が腫れる原因と治療法を紹介

応急処置の仕方を理解して頂いたところで、ここからは歯茎が腫れる原因と治療法について簡単に紹介していきたいと思います。

歯茎にオデキのような腫れがある時

このようなオデキが歯茎にできている時は歯自体に問題があることがほとんどです。

具体的には根っこの先端に膿が溜まっている場合(根尖性歯周炎)歯が割れてしまっている場合(歯根破折)があります。

〜治療法〜

歯の根っこの先端に膿が溜まっている場合は、神経の治療を行うことになります。適切に治療が進めば、すぐにオデキは消えてくるはずです。

歯の根っこが割れてしまっている場合は、神経の治療を行っても痛みやオデキが消えることはありません。割れ目から常に細菌が侵入してくるからです。この場合は、「抜歯」を選択するか、「一度意図的に抜歯をして、割れ目をお口の外で接着してから元の位置に戻す」という治療法を選択することになります。

特定の歯の周囲が全体的に腫れている時

先ほどお話した歯茎にオデキができている場合と違い、特定の歯の周りの歯茎が全体的にボワーっと腫れている時には歯周病が一時的に悪化していることが考えられます(歯周病の急性症状)

普段は免疫力で押さえつけられていた歯周病が、疲労や全身の病気(風邪など)で免疫力が低下したタイミングで勢力を増している状態です。

また歯周病の治療途中に正しい歯磨きを実践していく中で同じような症状が出ることもあります。正しい歯磨きによって歯茎が引き締まり、歯と歯茎の隙間に溜まっていた膿の出口がなくなることで起こります。

〜治療法〜

この場合、先ずは抗菌薬を処方して腫れや痛みなどの急性症状を抑えます。症状が改善されたタイミングで、歯周病の根本的な原因にアプローチする治療に入っていきます。

詳しい治療内容は、

歯周病(歯槽膿漏)を本気で治す、たった一つの治療法とは。

を参考にしてみて下さい。

お口の中全体の歯茎が腫れている時

お口の中全体の歯茎が腫れている時、考えられるのは「歯周病が広範囲に進行している場合」「高血圧の薬を飲んでいる場合」「女性の思春期や妊娠時のホルモンバランスの乱れによる場合」「カラダの病気(白血病など)が原因になっている場合」などです。

この中で最も可能性が高いと考えられるのは歯周病です。

歯周病は部分的に進行する病気というよりも正しい歯磨きが出来ていない箇所すべてに起こる病気なので、お口の中全体に広がっていてもおかしくありません。

次に高血圧の薬を飲んでいたり、女性ホルモンの影響を受けることで歯茎が腫れる場合ですが、根本的な原因は歯周病にあります。「これらの要素が重なると歯周病がより進行しやすい」というだけです。

  • 高血圧の薬を飲んでいる=歯茎が腫れる
  • 思春期や妊娠時=歯茎が腫れる

ということではありませんから注意して下さい。

また滅多にないケースですが、急性白血病を発症していると歯茎の腫れ、自然出血が起こります。これは歯医者が見れば「何かおかしいな」とすぐに気づくはずなので、医科で改めて検査を受けてもらうことになります。

他にもHIVに感染すると歯茎が腫れて出血する場合があります。

〜治療法〜

歯周病に関しては、先ほどもご紹介した

歯周病(歯槽膿漏)を本気で治す、たった一つの治療法とは。

こちらの記事を参考にしてみて下さい。高血圧の薬を飲んでいる場合や女性ホルモンの影響で歯茎が腫れている場合も、この治療だけで十分改善しますので安心して下さい。

「この薬のせいで歯茎が腫れているんだから、飲むのやめよ。」と医科の先生から出されている薬を自己判断でやめるのは厳禁です。命に関わる可能性がありますから。

白血病やHIVなどが原因で歯茎の腫れが起こっていると疑われる場合は、歯科から医科へ紹介状を書いてもらい、大きな病院で正確な診断を受けることになります。

口内炎のようなデキモノが歯茎にできている時

歯茎全体が腫れるのではなく、口内炎のようなデキモノができている場合はヘルペス性の口内炎が疑われます。

口内炎というとほっぺたや舌にできるイメージが強いと思いますが、ヘルペスウイルスの感染による口内炎の場合は歯茎にもできます。

〜治療法〜

ヘルペスウイルスは一度体内に入ると薬を使っても完全に死ぬことはありません。神経細胞に潜り込むので、初期の感染からずっと共存していくことになります。

ただし、口内炎を作ること以外に目立った悪さをするウイルスではないので、心配は要りません。

口内炎自体は2週間ほどで自然に消えていきます。「どうしても早く口内炎を消したい!」という場合は抗ウイルス薬(アシクロビルなど)を処方してもらうことになります。

下顎の一番奥の歯茎が腫れている時

下顎の一番奥の歯茎が腫れている時、親知らずによる炎症(智歯周囲炎)が原因として考えられます。

日本人の顎は小さいため、下の親知らずが完全に生え切ることは少ないんです。すると中途半端に生えてきた親知らずと手前の歯との間に細菌が溜まり、炎症を起こしてしまうことがあります。

〜治療法〜

親知らずが原因で歯茎が腫れている場合は、抗菌薬を使用して炎症を抑えてから後日抜歯をすることになります。

親知らずの生えた位置によって細菌が溜まりやすい環境が生まれているので、根本的な解決のためには親知らずを取り除く必要があります。

親知らずに関しては、

親知らずを抜歯せずにはいられない!本当の抜歯理由とかかる費用、抜歯後の注意点まで完全攻略!

を参考にしてみて下さい。

補足:歯茎の腫れと勘違いしやすいもの

最後に歯茎の腫れと勘違いされやすい骨の張り出しを紹介したいと思います。

これは下顎隆起と呼ばれるもので、食いしばりが強い方のお口の中によく見られる骨の出っ張りです。

何か悪さをするということはありませんので、無理に切除したりする必要はありません。

ただ、「下顎に入れ歯を入れなければいけない」などの状況では担当する先生から取り除いた方がいいと勧められる場合もあります。

まとめ

今回は歯茎が腫れた時の応急処置を中心にお話しましたが、いかがでしたでしょうか?

腫れても痛みがなかったり、症状が落ち着いてしまえば歯医者に行かずに放置してしまいがちですが、原因が取り除かれたわけではありません。自分のお口の中で起きていることを専門家に見てもらった上で正しい対応を取ることがとても大切です。

何度も腫れや痛みが繰り返すようでは仕事や家事などの日常生活にも支障をきたしてしまいますし、最悪の場合、歯を失ってしまうことにもなります。

手遅れになる前に歯医者でしっかりと診断してもらうことをオススメします。

では今回は以上です。


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ABOUTこの記事をかいた人

愛知県一宮市にある前岡歯科医院の院長で、『Dentalhacker』のライター。歯周病治療をベースに、「1本の歯を残す」ことにこだわった診療を行っている。『歯の本当の価値を伝いたい』という想いのもと、"歯ブラシから始まる予防歯科"の大切さを広めている。 たまにやる筋トレとバス釣りが趣味。根は真面目な性格だが、人を笑わすのが好きなので、よくウケ狙いに走る。診療中、患者さんに「最近肥えやーた?(名古屋弁で"太った?"の意)」と言われると、ヒドくテンションが下がるナイーブなハートの持ち主でもある。