親知らずを抜歯せずにはいられない!本当の抜歯理由とかかる費用、抜歯後の注意点まで完全攻略!

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前岡遼馬
このコンテンツは、現役の歯科医師がお口の健康に関する話をできるだけわかりやすい言葉を使って解説するブログ記事です。当サイトの運営はこちらの運営理念に沿って行われています。

親知らずの抜歯

「いつかはやらないとなぁ・・・。」と思ってはいても、なかなか踏ん切りがつかないのが正直なところではないでしょうか?「自覚症状もないのに、何で痛い思いをして抜かなくちゃいけないの?」と疑問も湧いてきます。

でも、周りから「抜いた方がいい」と言われる以上は、ちゃんと理由があるのも事実なんです。「もっと早く抜いておけば良かった・・・」とならないためにも、正しい知識を身につけておくことが大切です。

そこで今回は、あなたが安心して一歩を踏み出すために、「親知らずを抜いた方がいい、本当の理由」「抜歯の手順」「抜歯にかかる費用」から「抜歯後の症状とその対策」まで、とことん解説していきたいと思います。

この記事を最後まで読んでもらえれば、親知らずの抜歯について誰にも負けない知識が身につくはずです。全てわかってしまえば、抜歯の不安や怖さも半減します。

親知らずで後悔しないためにも、是非、最後までしっかりと読んでみて下さい。きっと力になれると思います。かなりボリュームのある記事なので、目次で気になるところから読み始めてみて下さい。

ではでは、早速いってみましょう!

これはカン違い!間違った親知らず抜歯の理由

先ずは一般的によく説明される、「間違った抜歯の理由」から解説していきたいと思います。誤った理由を覚えている限り、抜歯をする動機にならないので、あなたも「抜かなくていいかな。」と思ってしまうはずです。

放置した結果、深刻な事態を引き起こさないためにも、「間違った理由」はしっかり押えておきましょう!

間違いその1:歯並びへの影響

よく言われる抜歯理由の一つが、「親知らずが前の歯を押して、歯並びがグチャグチャになるから」というものです。
かつて歯医者の間でも議論の的になった、”親知らずが歯並びに与える影響”ですが、現在のところ、この関係は否定されています。

結論から言えば、親知らずがあってもなくても、歯並びは変わらないということです。

実際、矯正歯科学会での評価でも、親知らずが歯並びに与える影響は否定されています。

臨床データ
こんな感じです。

少し内容が専門的ですが、言っていることは「親知らずは歯並びには関係ない」ということです。親知らずが生えようとする力には、他の歯を動かすだけの力はないんですね。

間違いその2:歯茎が腫れるから

親知らずが痛い
これもよく言われている、間違った理由の一つです。「親知らずが残っていると、歯茎が腫れやすいから抜いた方がいい」というもの。

親知らずが歯茎からちょこっと顔を出す程度に生えている場合、歯磨きが難しいのでプラーク(細菌の塊)が溜まって腫れやすいという話なのですが、「腫れるだけで済むなら、抜歯しなくてもよくない?」となりがちです。

もちろん”完全な間違い”というわけではありませんが、親知らずを抜く直接的な理由にはなりません。腫れても抗菌薬を飲めば治りますからね。抜歯する理由には、もっと大切なことがあるんです。

親知らずを抜いた方がいい、本当の理由

さて、いよいよ本題です。「なぜ僕ら歯医者が患者さんに嫌がられてでも、親知らずの抜歯を勧めるのか?」ってところです。

結論から言えば、手前の奥歯(第二大臼歯)を守るためです。文字だけでは分かりにくいと思うので、こちらの写真を見て下さい。親知らずと第二大臼歯
この状態だと親知らずの手前の奥歯、第二大臼歯は磨きづらそうです。磨きづらいだけならまだしも、レントゲンを撮ってみると、第二大臼歯の虫歯レントゲン
第二大臼歯の親知らず側が大きな虫歯になっています。

ここまで大きな虫歯になってしまうと、この歯を残すことはできません。

親知らずを残した状態では、この場所の状況(虫歯になりやすい環境)が変わらないので、いつか虫歯が神経まで到達し、強烈な痛みが出てきます。治療をしても再び虫歯になりますし、これから10年、20年先もこの歯(第二大臼歯)が機能し続けるかと言えば、不可能に近いと思います。

とても残念なことですが、親知らずを早く抜いておかなかったために、結局この患者さんは第二大臼歯を失うことになりました。実際に抜歯をしてみると、第二大臼歯の虫歯
かなり大きな虫歯になっているのが分かります。

このように、親知らずの生え方によっては”手前の第二大臼歯を失う”という事態になってしまうんです。しかも、”噛み合わせに関係ない親知らず”が原因で。

こうならないように、親知らずは早めに抜いておいた方がいいんです。

お口の中の状況によっては、親知らずを移植のドナーとして使う場合もあるので、一概に全部抜くというわけではありません。しかし、特に移植などの予定がなければ、基本的に下の親知らずは手前の第二大臼歯に悪影響を及ぼすケースが多いので、早めに抜いた方がいいんですね。

そもそもなぜ、要らない親知らずが生えてくるのか?

歯茎が腫れたり、隣の歯を虫歯にしたりと、悪い影響ばかりの親知らずがなぜ口の中に生えてくるのか?
ここでは簡単に、親知らずが中途半端に生えてくる理由を説明したいと思います。

元々、親知らずは他の歯と同じように生えていた

進化の過程

これは僕らのずっとずっと昔の祖先、原始人に近い頃の話です。

かつての人間は、現代よりも遥かに硬い食べ物(木ノ実とか動物の硬い肉とか)を食べていました。このため、噛む力がとても強かったんです。顎の骨は大きく発達し、歯が生えるスペースが広かったと言えます。そして、奥歯は多ければ多いほど、噛む効率が良くなるので、日本人の僕らにはほとんど生え切ることがない親知らずが、第3の大臼歯として普通に生えていたんです。

ところが進化の過程で、食料を求めて移動する生活から定住型に変わりました。農耕なども取り入れたことで食事の内容が変わり、硬いものを食べる機会も減ってきました。少しずつヒトのカラダは「こんなに大きな顎、要らないんじゃない?」と顎を小さく退化させることにしたわけです。その結果、現代に至る進化の過程で顎は小さくなってきましたが、まだ「親知らずが生える」というカラダの設計図(遺伝子)までは、変化し切れていないんです。

人によっては先天的に親知らずがない方もいますが、まだまだ比率としては親知らずを持って生まれることがほとんどなんですね。“顎は小さくなっても、親知らずは生えようとする”、これが苦労して親知らずを抜かなくてはいけない原因になっています。

痛くない親知らず抜歯のポイント

ここからは親知らずを抜く上で、押さえておくべきポイントについてお話したいと思います。この辺りの知識を持っておけば、より楽に、痛みや腫れを感じることなく抜歯を終えることができるので、是非しっかりとチェックしてみて下さい。

抜歯にベストな時期は17歳〜25歳

学生の写真
親知らずは12〜16歳の頃に歯の頭の部分が完成し、17〜21歳の頃にお口に中に生えてこようとします(生える時期は個人差がある)。その後、18〜25歳の頃に歯の根っこが完成して親知らずの成長は止まります。

<一言メモ>歯は骨の中で作られます。先に頭の部分が完成し、お口の中に生えながら根っこが完成していきます

ここから何がわかるかと言えば、”親知らずを抜くベストな時期”です。

歯は根っこが短かったり、真っ直ぐな形をしているほど、抜きやすいという特徴があります。その点で言えば、親知らずの根っこがまだ完成していない時期というのは、歯自体も小さく、とても抜きやすい時期でもあるんです。

つまり、親知らずを抜く上でのベストな時期は、”生え始める17歳から根っこが完成する25歳頃まで”ということになります。

若いうちに抜くメリット

その1:骨が柔らかい

柔軟
若いウチは骨に柔軟性があるので、力がかかった時に”たわみ”が起こります。このため、抜歯がとてもやりやすいという特徴があります。本来であれば親知らず周囲の骨を削らなければ抜けない場合でも、年が若ければ骨を触らず、そのまま「すぽーん」と抜けてくれることも多いんです。

その2:抜歯後の麻痺(しびれ)が出にくい

痺れる
抜歯後の麻痺については後ほど詳しくお話しますが、若いうちは親知らずの根っこも完成していないので、抜歯の際にしびれが出る可能性はかなり低いんです。リスクが低いというだけでも、この時期に抜歯をするメリットは大きいですね。

その3:治りが早い

回復
“若い”ということは、それだけ代謝が高いということでもあります。代謝が高い=組織の再生が活発なので、傷口の治りが早いんです。また免疫力も高いので、抜歯の後で感染が起こりづらいというメリットもあります。

あなたが25歳以上でも、出来る限り早い抜歯がオススメ

もしあなたが25歳を過ぎていたとしても、大丈夫です。可能な限り早く抜いた方がいいというだけであって、25歳以上では抜歯できないというわけではありません。
そして、出来る限り早く抜歯することで、あなたの大切な第二大臼歯を守ることに繋がります。虫歯による嫌な痛みを経験する必要もなくなるので、是非1日でも早く抜歯の決断をしてみて下さいね。

抜歯後に痛みと腫れを抑えるポイント

具体的な抜歯の手順は後ほど説明しますが、先に抜歯を行なった後に注意すべきポイントをお話します。ここを押さえておくことで、痛みと腫れをかなり軽くすることが出来ます。

抜歯直後にすべきこと

冷却
真っ先にやっておいてもらいたいのは、親知らずを抜いた箇所を氷水を入れたジップロックでガンガン冷やすことです。

抜歯後の痛みと腫れのピークは、処置をしてから2〜3日後にかけてやってきます。このタイミングでお口の外から患部(抜歯した箇所)を冷やすことで、不快な症状の大部分を抑えることが出来るんです。

「冷やしてしまうと、治りが遅くなる」と言われたりもしますが、治りのスピードよりも大切なことは「痛みと腫れをどこまで抑えられるか」だと思うんです。なので僕の場合、親知らずの抜歯後は積極的に冷やすことをオススメしています。

傷を治すのは傷口に染み出してくる血です。しかし、血流が増えることで腫れや痛みの原因のなるのも事実です。患部を冷やすと血流が抑えられるので、不快な症状が軽減するんです。

ポイントは、”感覚がなくなるまで冷やす”ということ。冷やし始めた時は、冷たすぎて痛みに近い感覚になりますが、そのまま我慢して冷やし続けて下さい。
いずれ感覚がなくなるほど患部が冷えてくると、痛みはなくなってきます。また腫れもかなり抑えられるので、食事もしやすくなります。たくさん栄養補給することで傷の治りはより早くなりますから、メリットは大きいんです。

実際、僕も高校生の頃に父親に親知らずを抜いてもらいましたが、抜歯直後からガンガンに冷やしたおかげで、一切痛みも腫れも出ませんでした。歯医者になってから当時の僕の親知らずの位置を見ましたが、かなり骨を削らなければ抜けないくらいに深いところに埋まっていたので、パンパンに顎が腫れてもおかしくないケースでした。

実体験としても、効果は抜群だと思いますので、是非、実践してみて下さい。
冷やす時間の目安は、”暇さえあれば”です。抜歯後から2〜3日にかけて、時間のある限り冷やして下さい。

受診から抜歯までの具体的な流れ

ここからは親知らずの抜歯を決断した後の話です。「どの病院を受診すればいいのか」から具体的な抜歯の手順まで、詳しく解説したいと思います。

「親知らずの抜歯」はどこに行けばいいのか

標識
「親知らず抜歯の相談は一体どこの病院ですればいいのか?」って結構迷うところだと思います。”歯科口腔外科”のある総合病院を受診するのか、それとも一般的な歯医者でいいのか、なかなか分かりづらいところです。ここでは適切な受診先をお話していきます。

最初に受診すべきなのは、口腔外科を扱っている一般の歯科医院

最初に受診すべきなのは、”口腔外科”と看板に書いてある一般の歯科医院です。親知らずの抜歯は”外科処置”の一種なので、口腔外科を扱っている歯医者であれば、専門的な診断から抜歯まで対応してもらえます。
看板以外にもホームページに記載があると思いますので、チェックしてみて下さい。受診予約の際に、電話で「親知らずの抜歯も扱っていますか?」と聞いてもらえれば確実です。

難しい親知らずの抜歯は”歯科口腔外科”のある総合病院

一般の歯科医院でも親知らずの抜歯は十分可能ですが、ケースによっては親知らずの生えている場所が深く、一般歯科では対応が難しい場合もあります。

その際には、最初に受診した一般の歯科医院から”歯科口腔外科”のある総合病院へ紹介状を書いてもらえると思います。総合病院にある歯科口腔外科は、外科治療のスペシャリストが揃っている部署で、親知らずの抜歯は日常茶飯事です。医科用CTをはじめとした、より専門的な診断、鎮静や全身麻酔下での抜歯が可能なので、難しい抜歯でも対応してもらえます。

ただ、紹介状なしで最初から歯科口腔外科のある総合病院を受診しようとすると、初診料の他に”特定療養費(紹介状がない場合に請求される費用)”として別料金(500〜10,800円と病院によって異なる)がかかってくるので注意が必要です。

先ずは一般歯科で親知らずの状態を診察してもらうのがオススメです。

外来での抜歯か、入院での抜歯か

入院
「外来」とは、入院以外で患者さんの診察をする場合に使われる言葉です。

一般的に通常の親知らずの抜歯であれば、日帰り(外来)での処置で終わります。

入院が必要になるのは、鎮静(ウトウトする程度の麻酔)や全身麻酔(完全に寝てしまう麻酔)をかけて抜歯を行う場合です。親知らずの埋まっている場所が深くて、局所麻酔ではかなり辛い抜歯が予想されるときに担当の先生から勧められると思います。
点滴で麻酔薬を全身に入れるため、日帰りでは出来ません(麻酔が完全に抜けるまで確認しなければいけないから)。歯科口腔外科のある総合病院での入院では、1泊2日〜2泊3日になる場合が多いです。

一般歯科の外来で抜ける親知らずでも、あなたが「局所麻酔で長時間お口を開けて抜歯するのはイヤだ!」という場合、総合病院へ紹介してもらえると思いますので、相談してみて下さい。

大まかな抜歯の手順

ここでは、親知らずの抜歯の手順について大まかに説明したいと思います。ざっくりとでも処置の内容を知っておいた方が、より安心して抜歯に臨めるはずです。
では、早速見ていきましょう!

診査・診断

レントゲンの説明
先ずはレントゲン写真やお口の中の診察を通して「親知らずがどの位置に埋まっているのか」、「歯の頭は歯茎から出ているのか」、「炎症はあるのか」、「神経との距離はどれくらいあるのか」、などをチェックしていきます。
この時点で一般の歯科医院で抜歯が難しければ、総合病院へ紹介される形になります。

特に問題がなければ、手術の日程を決めることになります。

表面麻酔・局所麻酔

麻酔注射
手術の日程が決まり、当日を迎えて診察台に座るといよいよ抜歯のスタートです。先ず抜歯をする箇所に表面麻酔を置きます。表面麻酔は麻酔薬を歯茎の上に置くだけなので、痛くはありません。この後に麻酔液を歯茎の中に打つ際、注射針を刺す痛みを和らげるために使用します。

表面麻酔が効いたところで、注射で麻酔を打ちます。この麻酔が効いてしまえば、基本的にこの後の痛みはなくなります。ただし、注意してもらいたいのは、歯を抜くときに骨を押される感覚は消えないということです。この違和感は我慢するしかありません。

抜歯の途中で「痛いな・・・。」と感じた際には、左手を上げて先生に伝えて下さい。追加の麻酔を打ってもらえるはずです。痛みを我慢していると、追加の麻酔も効きづらくなってしまうので、早めに伝えるのが重要です。

抜歯

抜歯
麻酔が効いたところで、いよいよ親知らずを抜いていきます。
親知らずが骨の中深くに埋まっている場合は、歯茎に少し切り込みを入れて開き、しっかりと歯が見える状態で処置を進めていきます。

場合によっては歯の周りの骨を少し削ることもあります。その際に少し振動が伝わってきますが、ここは我慢です。確実に抜歯を行うために必要な処置になりますから。痛みがなければ、そのまま抜歯を続けてもらいましょう。 

止血

止血
歯が抜けたところで、血が止まるのを確認します。歯がなくなったスペースに血が満ちてくることで止血が完了します。

縫合

縫合
血が止まったところで、切り込みを入れた歯茎を縫っていきます。縫合を行うことで傷口がキレイに治っていきます。縫った糸は抜歯から1週間ほど経ってから取り除きますので、安心して下さい。

抜糸

抜糸
抜歯が終わってから1週間後、歯茎が元通りにくっ付いたところで縫った糸を取っていきます。この時点で糸を取っても、傷口が開くことはないので大丈夫です。

抜歯の手術時間

時計
親知らずの抜歯は、歯の位置によって手術時間は異なります。浅い位置に埋まっている場合は、縫合まで入れて30分弱で終わります。深い位置埋まっている場合は、1時間程度かかることもあるので、目安にして下さい。

手術の際の時間が気になる時は、担当する先生に「何分くらいかかりますか?」と目安の時間を聞いておくと、より安心して手術に臨めると思います。

通院も含めた治療期間

親知らずの抜歯は、抜歯当日、そして抜糸のための1週間後の受診で終わることがほとんどです。場合によっては、抜歯後の骨がしっかりとできているか1ヶ月〜2ヶ月後に確認することもあります。

治療期間としては、最短で1週間、長くて2ヶ月(3回の通院)といったところが目安になります。

抜歯にかかる費用

お金

外来での抜歯の場合

外来での抜歯の場合、親知らずの生え方によって費用は異なります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

親知らずが真っ直ぐ生えているとき

上顎の親知らず
親知らずが通常の歯と同様に真っ直ぐ生えている場合、3割負担で2,800円前後です。上顎の親知らずはほとんどがこのパターンです。

親知らずの頭が一部歯茎から出ているとき

半埋伏の親知らず
親知らずが完全に生え切っておらず、歯の頭が一部歯茎から出ている状態では、3割負担で3,400円前後の費用がかかります。

親知らずが完全に骨の中に埋まっているとき

水平埋伏の親知らず
親知らずが埋まっている場所が深く、骨を削って抜かなくてはいけない場合、3割負担で5,400円前後の費用になります。

入院(全身麻酔)での抜歯の場合

全身麻酔を行なって抜歯をする場合、通常の手術費に加えて、入院の費用もかかってくるため、3割負担でも全部で70,000円前後の金額になります。

他の保険でできる歯科治療と比較すると費用がかさみますが、全身麻酔で寝ている間に抜歯をしてもらえるのは大きなメリットです。局所麻酔では1時間以上、口を開け続けていなければいけない場合もあるので、一度検討してみる価値は十分にあると思います。

全身麻酔で抜歯をする場合、お口の中に残っている親知らずを一度に全て抜いてしまう場合もあります。1回の入院で全て終わるメリットがありますが、費用がその分高くなる点と、一気に何本も親知らずを抜いた反応で、顎が大きく腫れる場合があることも知っておいてもらえればと思います。

抜歯後の症状とその理由、対策のまとめ

親知らず抜歯のいろはが分かってきたところで、ここからは抜歯後に考えられる症状とその理由、対策の仕方までお話したいと思います。
知っているのと知らないのとでは、心の余裕が全然違ってきますから要チェックです。

熱感

熱感
“熱感”というのは、抜歯をした箇所が熱っぽい感覚のことです。風邪を引いたときに熱がある感覚に近いものです。不快感が強い症状でもあるので、原因と対策を押さえていきましょう。

理由

抜歯というのは外科処置の一種です。特に親知らずの抜歯では、周囲の歯茎を切ったり、骨を削ったりとカラダに与えるダメージが大きいんです。ダメージを受けた箇所は、カラダが修復しようと炎症反応を起こします。傷口周囲の毛細血管が広がって、血流が増すことが熱感に繋がります。

対策

熱感への対策は”痛くない親知らず抜歯のポイント”の章でもお話したように、抜歯後すぐに氷水を入れたジップロックで冷やすことです。熱感も、痛みも、腫れも、かなり抑えれるはずです。

期間

抜歯直後から徐々に熱感は出始め、約48時間後がピークになります。その後は少しずつ症状が和らいでいきます。

腫れ

腫れ
親知らずの後の症状で最も代表的なものが頬っぺたの腫れです。特に下の親知らずの抜歯後には、「誰かに殴られたの?」ってくらいに腫れる場合があります。この理由と対策もマストで押さえておきましょう。

理由

腫れる理由は、抜歯をした傷口に周囲の血管から血液が集まってくるからです。周囲の組織が血液で満たされ、水ぶくれのような状態になっているイメージです。

対策

この対策も熱感と同様に、暇さえあれば氷水で冷やすことです。仕事などで外出しなければならない時は、大きめのマスクで腫れを隠すのがオススメです。

期間

腫れも抜歯直後から徐々に出始め、48時間後あたりがピークになります。場合によっては1週間近く腫れが残ることもありますが、少しずつ引いてきますから安心して下さいね。

痛み

痛み
痛みも抜歯後の代表的な症状です。ここを上手くコントロール出来れば、抜歯後の辛さがかなり違います。しっかり押さえていきましょう。

理由

抜歯後の炎症反応によって、傷口に血液が集まり、組織が腫れます。その結果、腫れた組織が周囲の神経を圧迫することで痛みを感じます。また単純に歯茎を切ったり、骨を削ったりしているので、末梢神経が傷ついて痛みが出ています。

もう一つ痛みが出る原因として、抜歯した穴が“ドライソケット”という状態になっている場合があります。抜歯後に強くゆすいで血のかさぶたが流れてしまい、骨が露出すると感染が起こります(これがドライソケット)。この状態になると痛みがかなり強くなるんですね。

対策

痛みに対しての対策も、基本は氷水で患部(抜歯した箇所)を冷やすことです。また痛み止めを麻酔が切れる前に飲んでおくのも効果的です。

抜歯をしてから2〜3日間は、3時間おきくらいに痛み止めを予め飲んでおくと痛みを予防できます(医科からの薬もたくさん飲んでいる場合や他の病気にかかっている場合は担当の先生に服薬相談をした方が安全)。

またドライソケットを防ぐためには、強くゆずがないようにするのがポイントです。抜歯をしてもらった歯医者で処方された抗菌薬もしっかりと飲んで下さい。

期間

痛みが出る期間も基本的には腫れの期間と一緒です。麻酔が切れてから48時間後がピークになることが多いです。

出血

出血
抜歯をした後の穴から出血が止まらなくなる場合もあります。このポイントも要チェックです。

理由

血が止まらなくなる理由としては、抜歯後にお酒をたくさん飲んだこと、激しい運動をしたこと、長風呂、お口のゆすぎ過ぎ、抗血栓薬を服用している場合などが考えられます。

対策

血が止まらない場合に最も効果的な対策は、ガーゼを親知らずを抜いた箇所で30分程噛むことです。圧迫止血によって血が止まります。

期間

基本的に手術を終える前に止血は確認しているので、出血の理由になる要素がなければ、上記の対策で血は止まります。血が止まっていても、多少血の味はしますので、あまり気にし過ぎないのがポイントですね。

お口が開きづらくなる

開口障害
抜歯後にお口が開きづらくなる場合もあります。食事がしづらくなると困りますから、しっかりと知識をつけておきましょう。

理由

抜歯後の腫れによってお口を開け閉めする筋肉の動きが邪魔されることで、この症状が起こります。

対策

一番の対策は抜歯後に腫れを抑えることです。氷水で冷やすことが何より効果的です。冷やす時間がなくて頬っぺたが腫れてしまい、お口が開きづらくなった場合でも、冷却は効果的です。腫れて食事がしづらい場合は、ゼリーなど噛まなくても食べられるものを選んで下さい。

期間

お口が開きづらくなるのは、腫れている期間と重なります。大体抜歯後から48時間がピークで、その後は少しづつ症状が改善していきます。

あざ

あざ
親知らずを抜歯した後に、頬っぺたに青あざができることがあります。誰かに殴られたような見た目になるため、びっくりしてしまいますが、ここも理由と対策を押さえれば大丈夫です。

理由

傷口に集まった血液が皮膚を通して透けているのが原因です。内出血と一緒ですね。抜歯の時に親知らず周囲の骨をたくさん削るなどして、傷口周囲の骨が少ない場合にあざはできやすいです。

対策

ヒルドイド(商品名)などのヘパリン類似物質と呼ばれる薬品をあざに塗ると、固まった血液が溶け出して早く消えてくれます。一般の歯科医院では出してもらうのは難しいので、皮膚科にかかるか、抜歯をしてもらった総合病院の口腔外科で相談してみて下さい。

期間

あざは青紫色からスタートし、次第に黄色味がかってきて1週間ほどで消えていきます。

麻痺(しびれ)

痺れる
ここで言う麻痺というのは、下の親知らずを抜いた後で親知らずの付近から顎の先端にかけて皮膚を触った感覚が鈍くなる症状のことです。

理由

下の親知らずは根っこが下顎管と呼ばれる神経の管に近い場合が多いんです。このため、頻度としてはとても低いのですが、抜歯の際に神経を傷つけてしまうことがあります。また、抜歯後の腫れで下顎管が圧迫されて、一時的に麻痺が出る場合があります。

対策

軽度の麻痺であれば、ビタミンB12、ATP製剤といった薬を服用することで回復を早めることができます。

抜歯の際に神経を直接傷つけてしまった場合、再生は難しいので後遺症として一生残る場合もあります。親知らずが神経にかなり近い場合は、事前に担当する先生から説明があると思いますので、リスクを十分に理解した上で手術に臨んでもらえればと思います。

期間

麻痺は神経損傷の度合いにもよりますが、回復可能な場合でも6ヶ月以上かかることがあります。

知覚過敏(水がしみる)

知覚過敏
知覚過敏というのは、抜歯後に水がしみる感覚が出ることです。この理由も明確なので、しっかり押さえておきましょう

理由

知覚過敏の主な原因は、抜歯をした後で手前の第二大臼歯の根っこが露出していることです。ここに水がかかることで”しみる”症状が出ます。

対策

知覚過敏は親知らずを抜いた箇所が骨で埋まっていくうちに少しずつ消えていきます。たくさん食べて栄養を補給し、睡眠時間を確保することで回復を早めることが出来ます。

期間

傷口が骨で埋まるのは下の親知らずであれば1〜2ヶ月くらいかかります。ここは気長に待つしかありません。

まとめ

今回は親知らずを抜歯する本当の理由から、親知らずの特徴、痛くない抜歯のポイント、抜歯の手順と抜歯後の症状まで、かなり盛りだくさんな内容でお届けしました。最後までしっかりと読んでもらえれば、親知らずの抜歯については十分な知識が身につくはずです。

歯医者の先生に「親知らず抜いた方がいいよ。」と勧められているあなたは、手前の第二大臼歯を残すために少しだけ勇気を振り絞ってみて下さい。将来きっと、「あの時、抜いておいて良かった!」と思えるはずです。

是非、何度も読んで参考にしてみて下さい!

おまけ

この記事の最初にお話した、親知らずを抜かなかったために手前の第二大臼歯を失った患者さん。
「その後どうなったのか?」というところを最後に解説したいと思います。幸いあのケースでは親知らずを残せそうだったので、矯正を行って第二大臼歯があった場所へ移動させることにしました。 
8番Extrusion
写真のように親知らずをゴムで引っ張り出しています。
まだ矯正途中なので、治療終了までは時間がかかります。お金も時間もかかってしまいますが、1本の歯を失うというのはそれだけ失うものが大きいのです。

是非、このような大掛かりな治療をしなくて済むように、早めに親知らずの抜歯を決断してもらえればと思います。

ではでは、今回は以上です。

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