歯磨きの磨き残しをチェック!歯垢染色剤の正しい使い方

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前岡遼馬
このコンテンツは、現役の歯科医師がお口の健康に関する話をできるだけわかりやすい言葉を使って解説するブログ記事です。当サイトの運営はこちらの運営理念に沿って行われています。

「あなたは普段の歯磨きで、磨き残しがないように磨けていますか?」

この質問を急にされても「磨けてるつもりだけど、自信はないなぁ。」と答える方がほとんどです。

それもそのはず。歯磨きの目的は歯の表面についたプラーク(細菌の塊)を落とすことですが、このプラークは歯と同じ白色をしているので、プロでも慣れていないとパッと見で磨き残しを見つけるのが難しいんです。

しかし、歯磨き以外の場面で考えてみると、普段の部屋の掃除などで、「キレイに掃除できているか自信がないなぁ。」という方はほとんどいません。なぜなら、取り除くべきホコリと家具や床との区別がはっきりついているからです。

つまり、やろうと思えば簡単に出来る掃除と比較して歯磨きが難しいのは、

“取り除くべきプラークと歯の見分けがつきづらい”

ことが最大の要因ということになります。

そこで今回は、歯磨きで取り除きたいプラークを染め出すグッズ(染色剤)をご紹介したいと思います。これを使用することで、「普段の歯磨きでどこが磨けていないか?」が一目瞭然になります。

自分の歯を一生使っていくために、是非とも上手く活用してもらいたいグッズの一つです。正しい使い方を理解することで誰でも効果的な歯磨きが可能になります。

では早速見ていきましょう!

歯垢染色剤ってなに?

先ずは歯垢染色剤(しこうせんしょくざい)について簡単に説明したいと思います。

一般的には赤色の液体で、歯の表面についたプラーク(細菌の塊)を染めるものです。

小さい頃に歯医者や学校検診などで歯を赤く染めた経験はありませんか?あれで使われているのが歯垢染色剤です。

子供しか使わないイメージを持たれる方もいますが、大人でも歯磨きを練習する過程でよく使われます。

磨き残し(歯に残ったプラーク)を染めることで、普段歯ブラシを上手く当てられていない箇所をチェックし、”どう磨けば効率よくプラークを取り除けるか”を知るために使用します。

歯垢染色剤の安全性

“歯垢染色剤”という難しそうな名前がついていると、どんな成分が入っているのか心配になりますが、全く問題ありません。

この液体の色素は「かまぼこ」や「たらこ」などの水産加工物やお菓子などの食品添加物と同じものだからです。

さらに歯垢染色剤は歯の表面に塗ったあとでお口をゆすぐため、大部分がお口の外に出てしまいます。色素自体をゴクゴクと飲むワケではありませんから、安心して使ってもらえればと思います。

歯垢染色剤の正しい使い方

ではここから歯垢染色剤の正しい使い方についてお話していきたいと思います。全部で5つのステップになっています。

ステップ1:いつもと同じように歯を磨く

ステップ1ではいつもと同じように歯を磨いていきます。「いきなり歯垢染色剤を使わない」のがポイントになります。

「最初に染めてから磨いた方が効率がいいんじゃないか?」と思われる方もいるのですが、飽くまで歯垢染色剤は自分の歯磨きの癖(くせ)を見つけるために使用します。

普段、磨いたつもりになっている箇所がどれくらいあるのかを知るために使うんです。

それに全体を予め染めた後で磨き始めると、唾液で少しずつ色が落ちていってしまいます。”磨いていない箇所も歯磨きの終盤には染まっていない”という事態になることが多いので、磨き残しを増やしてしまうことに繋がります。

「染色剤は一度自分なりに歯磨きした後で使う」

これはしっかり覚えておいて下さい。

ステップ2:歯垢染色剤で部分的に染める

いつも通りに歯磨きをした後で、いよいよ歯垢染色剤を使っていきます。

基本的な染め方は、綿棒の先に染色剤をつけて歯に塗っていくだけです。塗った後は2回ほどお口を軽くゆすぎます。

いきなり全体を染めてしまってもいいのですが、僕がオススメする使い方は「部分染め」です。

初めて染める時は、鏡で着色をチェックしやすい前歯だけを染めてみましょう。

前歯であっても奥歯であっても基本的な磨き方は一緒なので、部分染めで練習していくことでお口全体の歯磨きのレベルが上がっていきます。

染めた後は、手鏡でよく観察しながら染まった箇所の特徴をチェックします。「歯と歯の間が染まっているのか」、「歯と歯茎の境目が染まっているのか」、あなたの磨き方の癖(くせ)によって染まる箇所は違うはずです。

染まった箇所を覚えておけば、普段の歯磨きの際に効率よく磨いていくことが可能になります。

2回目以降の染め出し

全体を染めてしまうと染まる箇所がたくさんありすぎて、どこを見ればいいのかポイントがつかめなくなってしまうので、染色剤に慣れないうちは部分染めを繰り返していくのがオススメです。

今日は下の前歯、明日は上の前歯、その次の日は右下の奥歯、などのように1日ごとにテーマとするブロックを決めて行うことで染め出しの負担を減らせますし、面倒になってやめてしまうリスクを回避することができます。

奥歯の内側などの見づらい箇所を染めるときは、小さな鏡をお口に入れて手鏡に反射させるとよく見えると思います。

ステップ3:染まった箇所を歯ブラシの角度に注意しながら磨く

ステップ3では、ステップ2で染まった箇所を実際に磨いていきます。

この時に注意すべきポイントは歯ブラシを歯に当てる角度です。染まった箇所に毛先の面を垂直に当てるようにすると、軽い力で擦(こす)ってもすぐにプラーク(細菌の塊)は落ちるはずです。

「当てる角度が良ければ、むしろ軽い力で当てた方がプラークが落ちやすい」という点も体感できると思います。

染色剤で染まった色を落とすことに集中してしまいがちですが、「どう磨けば短時間で効率よく落とせるのか」を考えながら実践してみて下さい。

ステップ4:再度染め出しを行う

ステップ3で染まった箇所を落とし切ったら、再び染色剤で磨いた箇所を染めてみます。

ここで二度染めを行うのは、本当にプラーク(細菌の塊)が取り除けているかをチェックするためです。

染色剤は唾液によって少しずつ流れていってしまうので、ブラシの毛先が当たっていない箇所も時間と共に少しずつ色が落ちてしまうんです。二度染めを行うとステップ3で磨いたつもりになっていた箇所が染まることも少なくありません。

面倒ではありますが、普段の歯磨きをより効率よく行うために二度染めは是非、やってみて下さい。

ステップ5:最後まで染まった箇所を覚えておく

ステップ4で再度染め出しを行って染まった箇所は、普段からかなりプラーク(細菌の塊)が残りやすいということなので、しっかり覚えておきましょう。

「どこのプラークが落としづらいのか」を覚えておくことで、歯磨きの際に時間をかけるべきポイントが見えていくるはずです。

単純に”歯を染めてから、色のついた箇所を磨いて終わり”では、染色剤を使う意味はあまりありません。一生歯磨きをする時に染色剤を使わなくてはいけなくなってしまうからです。

「染め出しを行わなくてもプラークが残りやすいところが分かっていて、上手く歯ブラシを当てられる状態」が目指すべきゴールです。ここまで意識して歯磨きを練習していけば、あなたの歯は一生残ります。

是非、染色剤を上手く使って歯磨きの質を高めていきましょう。

歯垢染色剤の使用上の注意点

正しい使い方を理解して頂いた上で、使用上の注意点も解説したいと思います。

出かける前に使用しない

染色剤は色素なので、歯以外の箇所につくとなかなか落ちません。歯についた色でも的確に歯ブラシを当てられないと落とすのが難しいくらいです。

特に唇や顔の皮膚についてしまうと強く擦(こす)ってもその場で完全に色を消すことが難しいので、染め出しを行うのはお風呂に入る前やお出かけする予定のない休日などにしましょう。

口の周りの粘膜や皮膚であれば時間が経てば色は落ちますが、衣服などについてしまうとかなり落ちづらいので注意が必要です。

染め出しを行う時の服装

染色剤を使った染め出しを行う際の服装にも気をつけたいところです。

赤い色素は服につくとかなり目立ちます。歯を染める際には色が目立ちづらい黒色の服を着て行うか、撥水性のエプロンなどを着用して行うのがオススメです。

もし誤って染色剤が服についてしまったら、他の洗濯物と分けて手洗いで洗うか、クリーニング店に相談しましょう。

口をゆすぐ時は優しく水を吐き出す

これも意外とやってしまいがちなことなのですが、染色剤を使った後にお口をゆすぐ際、いつものように強く水を吐き出してしまうと周りに飛び散って壁や洗面台が染まってしまうことがあります。

お口をゆすぐ時は優しく水を吐き出すようにして下さい。洗面台のシンクであれば洗剤を使って軽く擦(こす)ればすぐに色は落ちるはずです。

プロも使う、オススメの歯垢染色剤

ではここからはプロも使っているオススメの歯垢染色剤をご紹介したいと思います。

歯垢染色剤は大きく分けて液体タイプとジェルタイプの2つに分けられます。それぞれ分けて見ていきましょう。

液体タイプの歯垢染色剤

液体タイプのオススメは、

こちらのGC(ジーシー)というメーカーから出ているプロスペックというシリーズの商品です。このメーカーは歯医者の器具を多く扱っているので、プロ御用達です。プラーク(細菌の塊)の染まり方も申し分ありません。

使い方は綿棒の先に染色液をつけて、プラークを染めたい歯に塗るだけです。塗った後は軽く2回ほどお口をゆすいで下さい。

ジェルタイプの歯垢染色剤

ジェルタイプのオススメは、

こちらです。ジェルタイプの利点は、歯ブラシに歯磨き粉のように取ってそのまま歯に塗ることが出来る点です。歯ブラシの毛も若干染まってしまいますが、歯磨きに関しては何の影響もないので心配は要りません。

もし、赤く染まった毛の歯ブラシで歯磨きをしたくない場合は、歯垢染色ジェルを塗る用の歯ブラシを1本用意して下さい。

通販サイトのAmazonでは上記の2つ以外にもたくさんの歯垢染色剤が扱われていますが、プロも使っている信頼のメーカーから出ているものを選んだ方が間違いはないと思います。

効果的にプラークを落とす歯磨きのポイント

最後に歯垢染色剤で染まったプラーク(細菌の塊)を効果的に落とす歯磨きのポイントについてお話したいと思います。

歯と歯茎の境目、歯と歯の間に分けて解説していきます。

歯と歯茎の境目の歯磨き

歯と歯茎の境目を磨く上で押さえておきたいポイントは、

  • 歯ブラシを動かす幅
  • 歯ブラシを当てる角度
  • 歯ブラシを当てる力加減

この3つです。

歯ブラシを動かす幅に関しては、数本の歯を一気に磨く意識ではなく、1本ずつ細かく振動させるように歯ブラシを動かすのがポイントです。

そして、歯ブラシを当てる角度に関しては、歯が歯茎から立ち上がる角度を手鏡でよく見ながら、歯に対して垂直に歯ブラシの毛先が当たるようにすることが重要です。

最後の力加減に関しては、歯ブラシが歯の表面に軽く触れるくらいの力で磨いていくことが大切です。ほとんどの人は歯磨きの際の力が強すぎてしまい、効果的に歯を磨けていません。極力軽い力で歯ブラシを動かす意識で磨いてみて下さい。

詳しい歯磨きの仕方に関しては、

歯医者も出来ない!?本当に正しい歯磨きの仕方をイラストと写真で徹底解説!

の記事を参考にして下さい。

歯と歯の間の歯磨き

歯と歯の間に関しては、歯ブラシだけで効率よく磨くのはなかなか難しいと思います。

もちろん歯ブラシ1本でお口全体を磨けないことはありませんが、補助器具を使った方が遥かに短時間で効果的な歯磨きが可能になります。具体的に使うべきグッズは、デンタルフロスと歯間ブラシです。

これらの詳しい使い方に関しては、

これさえ読めば完璧!デンタルフロスと歯間ブラシの正しい使い方

こちらの記事を参考にしてみて下さい。

まとめ

今回は歯の表面に残ったプラーク(細菌の塊)を染めるための歯垢染色剤について詳しくお話しましたが、いかがでしたでしょうか?

このグッズを正しく使えるようになれば、あなたの歯磨きの質は劇的に向上するはずです。わざわざ歯医者に行かなくても、どこが磨けていないか一目瞭然になるので、「ちゃんと磨けているか心配・・・」といったこともなくなります。

是非何度も読み返して、歯垢染色剤を上手く使いこなしていきましょう。正しい歯磨きの仕方などは最後にご紹介した2つの記事を参考にしてもらえれば、よく理解出来るはずです。

あなたが自分の手で自分の歯を守れるようになることを心から願っています。

では、今回は以上です。


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ABOUTこの記事をかいた人

愛知県一宮市にある前岡歯科医院の院長で、『Dentalhacker』のライター。歯周病治療をベースに、「1本の歯を残す」ことにこだわった診療を行っている。『歯の本当の価値を伝いたい』という想いのもと、”歯ブラシから始まる予防歯科”の大切さを広めている。 たまにやる筋トレとバス釣りが趣味。根は真面目な性格だが、人を笑わすのが好きなので、よくウケ狙いに走る。診療中、患者さんに「最近肥えやーた?(名古屋弁で”太った?”の意)」と言われると、ヒドくテンションが下がるナイーブなハートの持ち主でもある。