ほとんどの人が知らない、歯のブリッジのメリット・デメリット。

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前岡遼馬
このコンテンツは、現役の歯科医師がお口の健康に関する話をできるだけわかりやすい言葉を使って解説するブログ記事です。当サイトの運営はこちらの運営理念に沿って行われています。

歯を失った時、ショックと同時にあなたを悩ませるのが、「無くなったところをどう治療するのか?」ということ。

でも、歯医者に治療法をいくつか教えてもらっても、イマイチよく分からず、「先生が一番いいと思う方法で・・・」と言ってしまいがちです。一方で、オススメされるがままに高額な治療をするのもちょっと心配なところです。

そんなあなたに今回はブリッジのメリット・デメリットと、他の治療法との違いを、5分でしっかり理解してもらいたいと思います。

ではでは早速いきましょう!!

そもそもブリッジって何!?

先ずはブリッジってどんな治療かってところを一緒に見ていきましょう!やることは至ってシンプルです。

中間歯欠損(ブリッジ)
こんな感じで歯が無くなってしまった時に、
ブリッジ支台歯
両隣の歯を削って、

ブリッジ(自費)
こんな感じの被せ物を入れる治療です。歯と歯の間に橋(ブリッジ)をかけるからブリッジ治療と言います。

ブリッジのメリットとは?

ブリッジの基本を押さえたところで、ここからはこの治療法のメリットについて説明していきたいと思います。

その1:手術が要らない

多くの場合、ブリッジと比較されるのはインプラント治療です。
歯が無くなってしまったところに、チタン製のネジを埋めて歯を作る方法で、イラストにすると・・・

インプラント
こんな感じです。
骨の中にネジを埋め込むので、手術が必要になります。これがブリッジの場合は必要ないんです。歯茎を切ったり、骨にネジを埋めたりせずに、隣の歯を削るだけで治療が終わります。

その2:自分の歯と同じような感覚で噛める

ブリッジは先のイラストで見てもらったように、“自分の歯”に被せ物を入れる治療です。なので、噛んだ時に周りの歯と同じような自然な噛み心地が得られます。

一方、インプラントや入れ歯といった治療になると噛む力を受け止めるのは、”歯”ではなく、”骨や歯茎”です。噛んだ時の感触は、元の歯と比べると全然違ったものになります。

その3:治療が終わるまでが早い

ブリッジの場合は、最短で2回の通院で治療が終わります。

1回目に歯を削って型を取って、2回目に被せ物をセットする。たったこれだけの行程です。

でも、インプラントや入れ歯の場合は、最低でも4回の通院が必要になります。治療期間もインプラントになると、ネジと骨がくっつく期間が必要なので、被せ物が入るまで2ヶ月以上はかかります。

「なるべくなら歯医者の治療は早く終わらせたい!」そう思うあなたには、ブリッジ治療のスピード感はメリットが大きいと思います。

その4:被せ物がしっかりと固定される

ブリッジは完成すると、土台の歯に歯科用の接着剤でしっかりと固定されます。このため、入れ歯のように噛む度にズレたり、浮き上がってくることがないんです。

インプラントは基本的に最終的な被せ物を仮付け(外せる接着剤で付ける)にするため、強い力がかかると外れることがあります。ブリッジの場合はそういった心配もありませんからね。これも一つのメリットです。

その5:白い歯を入れられる

保険のブリッジでも前歯は白い被せ物を入れることができます。内側(ベロ側)は銀色の金属が使われますが、基本的には人目につかない場所になるので、自然な歯のように見えます。

保険ブリッジ裏側
(こちらのページより引用)
奥歯に関しては、保険だと銀色が見える被せ物になります。

保険ブリッジ臼歯
(こちらのページより引用)
ただし、保険ではなく、自費治療を選択すると前歯でも奥歯でも全て”白い歯”で入れることが可能なので、治療を受ける歯医者で相談してみて下さい。

ブリッジのデメリットとは!?

あらゆる治療で言えることですが、何のデメリットもないものはこの世にありません。メリットがあれば、必ずデメリットもあります。ここからはブリッジのマイナス面も一緒にチェックしてみましょう!

その1:隣の健康な歯を削らなくてはいけない

ブリッジとはどんな治療だったかを思い出してもらえると分かりますが、失った歯の両隣の歯を削らなくては被せ物を入れられません。

しかも、その削る歯が虫歯でも何でもなかったら、健康な歯をかなり削ることになってしまいます。歯は一度削ってしまうと二度と元には戻りませんから、ここは是非とも慎重に考えてもらいたいところです。

基本的に歯医者に削られたり、被せ物を入れられると歯の寿命は短くなります。

特に治療時間が一人10〜15分ほどで、“数を回して利益を出す”治療を行っている医院では、「治療の質」も落ちるので、歯医者が触るほどに歯の寿命が急激に短くなります。

ブリッジは治療の精度も大事なので、歯医者選びも慎重にならなくてはいけません。“削って被せる”と一言に言っても、健康な歯に歯医者の手が加わるリスクがあることを覚えておいて下さい。

その2:土台になる歯の状態に左右される

例えば、土台になる1本の歯が歯周病でグラグラしていて、もう1本はしっかりとした健康な歯だった場合、両者で揺れ方が異なるので、トラブルが起こりやすいんです。具体的にはブリッジを歯にくっ付けている接着剤(セメント)が歯の揺れで溶け出してしまいます(セメントのウォッシュアウト)。

では、セメントが溶け出すとどうなるのか?

ブリッジ自体は簡単には外れませんが、接着剤が溶け出した隙間に細菌が入り、中で虫歯が進行してしまいます。

ブリッジが外れた時には中の歯が虫歯でグチャグチャ・・・”なんてことも起こり得るんです。ブリッジのリスクをしっかり考えてくれる歯医者なら、土台になる歯の状態によっては、「ブリッジはしない方がいいですね。」と説明することもあります。

ここでも担当の先生とよく相談する必要が出てきます。

その3:両隣に歯がないとブリッジはできない

ブリッジは2本以上の歯の間に橋をかける治療なので、橋の支柱になる歯が両サイドになければできません。
遊離端欠損
この写真のような歯の無くなり方だとブリッジはできません。入れ歯かインプラントが適応になります。

その4:土台の歯が割れるリスク

ブリッジを選択すると、土台になる歯には本来の約1.5倍の力がかかることになります(3本のブリッジの場合)。噛んだ時に、失ってしまった歯が負担する分の力を両隣の歯で負担するわけですから。
実際にブリッジで負担がかかり過ぎ、歯が割れてしまったケースも一緒に見てみましょう。

2015.12.14.002
緑の丸で囲んだ範囲がブリッジです。真ん中の歯にかかる力を左右の歯が負担したことで、ブリッジを装着してから10年以上経過して右端の歯が割れました。
やむなく抜歯すると、
2015.12.14.011
このように赤い丸で囲んだ箇所が縦に割れていました。割れた歯は過去に神経を抜いていた歯です。

神経のある歯に比べて強度が劣るので、噛む力で割れるリスクが高くなってしまうんですね。土台になる歯が神経を抜いた歯かどうかという点も十分考慮に入れなくてはいけません。

ブリッジか、その他の治療か。

ここでは、ブリッジ以外で考えられる治療方法について簡単に説明します。

治療法1:インプラント

インプラントは先の説明でもあったように、骨の中にチタン製の根っこを埋めて被せ物を入れる治療です。
インプラント1
この治療法は失った歯に近い感覚で噛めるものです。隣の歯を削る必要もありませんので、歯を失った箇所への処置だけで治療が完了するのが大きなメリットですね。

1本につき30〜45万円程度の治療費がかかりますが、適切な治療内容と正しいケアを行えば、20年以上持つ治療です。なので、結果的には他の治療法を選択するよりも、「人生という大きな枠で考えると歯医者にかけたお金は少なくなった」ということも十分あり得るのがインプラント治療でもあります。

ただし、重度の骨粗鬆症の方や糖尿病の方は手術のリスクが高いので選択できないこともあります。

治療法2:入れ歯

入れ歯とは取り外し式の義歯で、残っている自分の歯にバネをかけて固定するタイプのものです。
部分入れ歯
(写真は自費の部分入れ歯)
大きなメリットは他の歯を大きく削る必要がないので、作り直しができるということです。

また、保険でも自費でも選択可能で、かかる費用はブリッジ以上、インプラント以下というイメージで大体OKです。自費になると15〜30万円、保険であれば1万円以下で作ることが可能です。

ただし、精密に作られた入れ歯でもお口の中で多少は動きます。なのでブリッジ、インプラントと比べると違和感は最も強いですね。お口の中にプラスチックの塊が入っている環境になるので、慣れるまでの期間が必ず必要になる点も押さえておきたいところです。

治療法3:自家歯牙移植

自家歯牙移植とは自分のお口の中にある、親知らずなどの使われていない歯を、失ってしまった箇所に移植する治療法です。簡単に言えば、「歯のお引越し」ですね。
移植のドナー
どの歯医者でも出来るわけではありませんが、あなたの生まれ持った歯を最後まで活かしきる点では最も理想的な治療だと言えます。

僕の場合は、使われていない(噛み合わせに参加していない)親知らずがあれば、迷わず第一選択にします。

ただし、ドナー(移植候補)となる歯が存在することが絶対条件なので、適応は限られます。費用面に関しては、保険でも出来ますが(4000円ほど)、手間のかかる治療なので自費で行う医院がほとんどですね。自費になると5万〜15万円ほどの費用です。

移植ができるかどうかは担当の先生に相談してみて下さい。

僕ならこうする!治療の選択基準

“選択基準”と言っても、絶対的なものではありません。「飽くまで僕が治療を受けるなら」という視点でお話しますので、一意見として参考にしてみて下さい。

パターン1:親知らずが残っている場合

これは迷わず、移植を選びます。自分の歯を最後まで使い切りたいですからね。自分の歯ですから、噛み心地も一番自然です。

パターン2:親知らずがない場合

第一選択:インプラント

先ずはインプラントを第一選択に考えます。

近年のインプラントは性能、機能もかなり信頼できるので安心です。手術自体も親知らずの抜歯に比べれば、すごく簡単で、腫れも痛みもほとんどありませんからね。それに僕は健康な隣の歯を削りたくないので、ブリッジは避けたいです。

ネックになるのは治療費ですが、その後20年も使えたら1年あたり1万円ちょっとの負担です。長い目で見れば十二分に元が取れる治療がインプラントだと思います。

もちろん、「正しいお口のケア(歯磨きなど)が出来る」ことが大前提の話なので、「インプラントは無条件で20年以上持つ」というわけではありません。

第二選択:ブリッジ(入れ歯)

ここでカッコ内に”入れ歯”を入れているのは、無くなった歯の本数で変わるからです。

1本だけの欠損ならブリッジを選ぶ可能性が高いです。でも、何本か歯を失っていて、距離の長いブリッジになりそうなら術後にトラブルが起こる可能性がかなり高いので、インプラントでなければ入れ歯をチョイスしたいところです。

第三選択:入れ歯(ブリッジ)

最後の候補は一番違和感の強い入れ歯です。

カッコ内で”ブリッジ”があるのは、先ほどの説明の通りです。

とは言え、僕の場合、実際に歯を失ったことがないので、最終的に入れ歯かブリッジに悩んだら、先に保険で入れ歯を作ってもらうと思います。

ブリッジにする予定で両隣の歯を削ってしまうと後戻りは出来ませんが、入れ歯なら作り直しもブリッジに変更することも可能です(残っている歯の状況によりますが)。

まとめ

今回はブリッジ治療のメリット・デメリット、そして他の治療法との比較についてお伝えしました。

この記事を何度か見返してもらえれば、自分に合ったベストな治療法が必ず見えてくるはずです。

そして、何より大切なことは“失った歯の治療法”よりも今ある他の歯を失わないこと。

「歯を大切にしたい」という気持ちがなければ、どんな治療法を選んでも決して上手くはいきません。是非、治療の前に自分の歯を自分の手で守るための知識・テクニックを身につけてもらえればと思います。

ではでは今回はこんなところで。


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2 件のコメント

  • とても勉強になりました。インプラントが現在私の歯が抱えている問題を解決してくれるものだということが明確に判断できました。ありがとうございました。

  • MOMOさん、コメントありがとうございます!
    また何かあればコメントしてみてください。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    愛知県一宮市にある前岡歯科医院の院長で、『Dentalhacker』のライター。歯周病治療をベースに、「1本の歯を残す」ことにこだわった診療を行っている。『歯の本当の価値を伝いたい』という想いのもと、”歯ブラシから始まる予防歯科”の大切さを広めている。 たまにやる筋トレとバス釣りが趣味。根は真面目な性格だが、人を笑わすのが好きなので、よくウケ狙いに走る。診療中、患者さんに「最近肥えやーた?(名古屋弁で”太った?”の意)」と言われると、ヒドくテンションが下がるナイーブなハートの持ち主でもある。