知らなきゃ損する、インプラント治療の前に押さえておきたい7つのポイント

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前岡遼馬
このコンテンツは、現役の歯科医師がお口の健康に関する話をできるだけわかりやすい言葉を使って解説するブログ記事です。当サイトの運営はこちらの運営理念に沿って行われています。

「失った歯が戻る!」

「まるで自分の歯のような仕上がり!」

「驚くほどしっかり噛める!」

「入れ歯の何十倍も快適!」

これらはインプラントのメリットとして盛大に広告されている内容ですが、耳障りの良い言葉だけに注目していては思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。

高額な費用がかかるインプラント。

出来れば後悔のないよう、正しい知識を持った上で検討したいものです。

そこで、今回はインプラント治療の大まかな流れと押さえておきたいポイントについてまとめてみました。

歯医者に勧められるままに治療を進めるではなく、自分の中でメリット・デメリットを理解した上で治療法を選ぶために要点を押さえていきましょう!

では早速スタートです。

インプラント治療の流れをチェック

そもそもインプラント治療とは、失ってしまった歯の代わりに人工の根っこ(チタン製のボルト)を骨の中に埋めて、被せ物を立てる治療です。

ざっくりとしたイメージができているだけでも、治療を受ける際の心持ちは大きく変わってきます。

先ずはインプラントの治療の流れを大雑把に押さえておきましょう。

1、インプラントを骨に埋める手術をする

インプラントのドリリング

最初に被せ物を立てるための人工の根っこ(チタン製のボルト)を骨に埋め込みます。

顎の骨にドリルで穴を掘るのですが、実際に開ける穴は大きくても直径5mmほどなので、お口へのダメージは思いの外小さいものです。

麻酔をした上で行う手術なので痛みもありません。「全然腫れないんですね!」と手術後におっしゃる患者さんも多いくらいなので、心配する必要はありません。

2、骨とインプラントがくっ付くのを待つ(約2ヶ月間)

インプラント埋入

手術を終えて骨の中にチタン製のボルトが入ってからは、骨とくっ付くまでしばらく期間を空けます。

骨の条件が良ければ、2ヶ月ほどの期間になります。

骨の厚みがなく、インプラントを入れるのが困難な場合は、骨を作る手術も併用することになるので、待機期間は3ヶ月以上かかることもあります。

3、インプラントの頭を出す

アバットメントの装着

骨とチタン製のボルトがしっかりとくっ付けば、被せ物を入れる土台を立てていきます。

土台の形を調整することで歯茎の形もコントロールすることになるので、大切な工程になります。

4、歯茎が整うのを待ってから仮歯を入れる(歯茎が治るまでに約2週間)

仮歯の装着

インプラントの土台を立てる処置を行ってから、歯茎の傷が治るまで約2週間ほど待ってから仮歯を入れる工程になります。
(場合によっては土台を立てる処置と同時に仮歯を入れることもあります)

仮歯は最終的な被せ物とほぼ同じ形のものが入るので、この段階で完成のイメージが出来上がります。

5、仮歯で問題なければ最終的な被せ物をセット

finalの装着

仮歯の状態で数ヶ月間、経過観察を行います。仮歯が割れてこないか、形は問題ないか、周囲の歯への影響はないか、など様々な要素から最終的な被せ物を入れてもいいか判断します。

問題ないと分かった時点で型を採り、金属やセラミックスでできた被せ物をセットします。

以上が大まかなインプラント治療の流れです。

押さえておきたい7つのポイント

インプラント治療の流れを押さえたところで、ここからは治療に際して知っておきたいポイントをまとめていきます。

どれも大切なものばかりなので、一つずつ理解しながら進めていきましょう。

その1:インプラント治療の前に必要なこと

失ってしまった歯の代わりに噛める環境を作るのがインプラントですが、治療の前に絶対に押さえておきたいことがあります。

それは、「治療をする前に、病気にならないお口の環境をつくる」ということです。

歯を失う過程では、その原因になるものが必ずあります。具体的には虫歯・歯周病という2つの病気です。これらの病気になってしまう環境がお口の中にある限り、インプラントに限らず、あらゆる治療をする意味がありません。

原因が解決していなければ、再び虫歯や歯周病になってしまうので、歯科治療は付け焼き刃でしかないのです。高額な治療を選択したとしても、後々トラブルが起こる可能性がとても高いということでもあります。

先ずは、治療の前に虫歯と歯周病の原因と正しい予防法についてしっかりと押さえておきましょう。

あなたが取るべきアクションプラン

虫歯と歯周病の効果的な予防法については、別の記事にまとめてみました。

参考になる記事は、
歯磨きで虫歯は予防できない!プロが実践する虫歯予防をすべて公開!

【完全保存版】自宅で出来る、本当に正しい歯周病の予防法
です。是非、チェックしてみて下さい。

読むだけではなく、必ず1つでも自分の生活の中に取り入れてみて下さい。確実に効果があるものしか書いてありませんから、少しずつ実践していきましょう。

その2:インプラントの費用

骨の厚みなどの条件が整っていれば、インプラントは1本30〜50万円程の費用で入れることができます(被せ物の代金も含む)。

歯科治療の中でもかなり高額な部類に入りますが、それだけ1本の歯の機能を取り戻そうと思うとお金がかかるということです。

インプラント費用の幅があるのは、医院によって使用するインプラントメーカー、滅菌設備などが異なるので、チャージされる金額も異なってくるからです。

中には、「インプラントにしたい!でもお金を少しでも節約したい!」という方もいらっしゃいますが、相場よりも安い治療費を提示している歯医者は少し気をつけた方がいいと思います。コストを下げるには滅菌や人件費、設備などが犠牲になってしまうので、将来的にトラブルが起こる可能性が高くなります。

大きなお金が動くものは「安かろう悪かろう」の精神でいることが大切かと思います。

インプラントは基本的に一度入れたら一生使っていくものなので、残りの生きる年数で費用を割れば1年あたりにかかる費用はとても少ないものになるはずです。しっかりと費用をかけて治療を受け、入ったインプラントを大切に管理してあげることが最もコストパフォーマンスが高いと思います。

あなたが取るべきアクションプラン

治療費の負担を少しでも減らすために”医療費控除”という制度を利用することができます。

こちらに関しては、インプラントネットのサイトを参考にしてみて下さい。インプラントに関する費用の問題がかなり分かりやすく解説されています。

その3:治療にかかる期間

インプラントの治療にかかる期間は骨の状態(幅、骨密度など)によって大きく異なります。

比較的条件が良ければ、3ヶ月以内に最終的な被せ物を入れられるかと思いますが、悪条件下(骨が薄かったりなど)では、骨を作る追加手術などが必要なので、1年近く期間が延びることもあります。

いずれにしても、「インプラントはすぐに被せ物が入らない治療」ということは覚えておいて下さい。

歯を削って型を採ったら、次回の来院時に被せ物が入る通常の歯科治療とは異なるんです。

インプラントは埋め込んだチタン製のボルトと顎の骨がくっ付くまで、約2ヶ月程安静にしなければならないからです。

あなたが取るべきアクションプラン

治療期間に関しては、予め担当される先生に相談しておくのがベストです。

インプラントを打つ予定の場所の骨の状態などを診断してもらった上で、治療にかかるおおよその期間を聞いてから治療に臨んで下さい。

チタン製のボルトを入れる処置さえ行ってしまえば、その後の手術はほとんどありませんから、お仕事や家庭の用事を調整する必要はなくなります。

その4:インプラントと骨がくっ付かないリスク

どんな手術でもそうですが、「成功率100%」というのは臨床上、不可能だということを最初に覚えてもらいたいと思います。

「インプラント治療の失敗」というのは、骨とチタン製のボルトが上手く結合しないことを言います。

糖尿病や骨粗しょう症など全身疾患、そして普段からお口の中をキレイに管理できていないことによるインプラントへの細菌感染が失敗のリスクが高めます。

もちろん手術前には担当される先生から詳しい問診や歯磨きを始めとしたお口のケアの指導があるかと思いますが、あなた自身も失敗の要因を理解しておくことはとても大切です。

目立ったリスク因子がなければどのインプラントメーカーでも、平均して95%前後は問題なく骨とくっ付くとされていますので、そこまで心配する必要はありません。

手術をする先生の技術も大切ですが、もっと大切なことは手術に至るまでの準備です。ただただ先生に任せるのではなく、あなた自身も正しい歯磨きを実践して治療に臨むことが大切です。

あなた取るべきアクションプラン

インプラント手術に際しあなたが取るべきアクションは、自分が抱えている病気に関して包み隠さず担当する先生に伝えることです。
(先生に話しづらければ、衛生士さんや助手さんでも問題ありません)

「この病気は手術には関係ないだろう」といった場合でも念のために伝えておきましょう。喫煙の有無も忘れずに伝えて下さい。

「最近、健康診断は受けていないな」という場合は、予め医科で血液検査を含めた検診を受けておいた方が安心です。

特に糖尿病などの慢性の病気はなかなか自分では気づけません。「手術が失敗した後で検査したら糖尿病だった・・・」なんて事態にならないためにも、面倒ではありますが一度チェックしておいて下さい。

また、お口の中を普段からキレイに管理しておくことも大切です。
正しい歯磨きについての知識は、
歯医者も出来ない!?本当に正しい歯磨きの仕方をイラストと写真で徹底解説!
で確認しておいて下さい。

これだけで手術の際の感染リスク、術後の治りの早さが大きく変わってきます。

患者さんと担当する歯医者の両者が歩み寄り、お互いがより良い治療のために努力することが重要です。

タバコに関しては少なくとも手術前の1ヶ月前から禁煙することが望ましいと思います。喫煙によって生じる毛細血管の収縮は傷の治りに影響するからです。

手術の後もインプラントが骨とくっ付くまでの2ヶ月間は最低でも禁煙しておく方がリスク回避には有効です。

その5:インプラントは自分の歯で噛んだ時の感覚とは違う

インプラントは骨と結合した人工の根っこの上に被せ物を入れます。

一方、あなたが生まれながらにして持つ歯には、”歯の根っこ”と骨の間にクッションの役割を果たす歯根膜(しこんまく)と呼ばれる組織があります。

この違いによって、噛んだ時の感触には微妙な違いが生じます。

自分の歯でグッと強い力で噛むと、わずかに歯が沈み込む感じがあると思いますが、インプラントにはそれがありません。

つまり、インプラント治療と言えども、そっくりそのままあなたの歯が戻ったような噛み心地にはならないということです。

僕自身は口の中にインプラントを打たれた経験がないので分かりませんが、右側がインプラント、左側は自分の歯だけで噛んでいる患者さんに伺うと、やはり自分の歯で噛んだ時の方が心地良いそうです(これが歯根膜の有無による違いです)。

注意しなければ分からないほどの違いかも知れませんが、インプラントは自分の歯を再生する治療ではないので、この辺りは致し方ないかと思います。

もちろん、入れ歯などと比較するとインプラントの方が自分の歯に近い感覚で噛めるのは確実なので、そこまで問題視する必要はありません。

あなたが取るべきアクションプラン

自分の歯とインプラントの噛み心地の違いに関しては、「そういうこともあるんだ」くらいの認識で問題ありません。

今回は「インプラント治療で知っておきたいポイント」を網羅する意味で取り上げた話題なので、必要以上に意識しなくても大丈夫です。

その6:インプラントは歯周病にかかる

「インプラントは虫歯にならない」というのは、治療のメリットを説明上でよく引き合いに出される内容ですが、「インプラントは歯周病にかかる」ということを知らない方は多いものです。

虫歯は元々、歯の表面に付いている細菌が出す酸によって、その表面が溶ける病気です。インプラントで使用する人工の根っこはチタン製なので、酸で溶ける心配はありません。

しかし、歯周病は歯の表面に付いた細菌が出す毒素によって周囲の組織に炎症が広がり、最終的に歯を支える骨が溶けていくものです。

歯自体に影響が及ぶわけではなく、歯の周りの組織がダメージを受ける病気なので、インプラントの場合も歯周病のリスクはつきまといます。

インプラントにすれば、歯磨きしなくてもいいといった誤った認識を持っている方もいますが、むしろその逆です。

インプラントの方が自分の歯よりも丁寧にケアしてあげなくてはいけないのです。歯というのは元々あなたのお口の中にあったものなので、免疫力に守られています。

しかし、インプラントの場合は骨に直接チタン製のボルトが埋まっているので、一度歯周病にかかってしまうと急激に進行してしまいます。

周囲の骨が溶けてしまうとインプラントもグラグラになってしまい、最終的には骨の中から摘出しなければいけない状態になります。

「インプラントは歯周病にかかる」ということは忘れないようにして下さい。

あなたが取るべきアクションプラン

「インプラントは歯周病にかかる」と言っても、あなたがやるべきことはとてもシンプルです。

歯周病の原因を知って、正しい予防法を実践すること

たったこれだけです。インプラントに限らず、あなたの残った歯を歯周病で失わないためにも必ず押さえておきたい内容です。

具体的に参考になる記事は、
【完全保存版】自宅で出来る、本当に正しい歯周病の予防法

歯周病(歯槽膿漏)を本気で治す、たった一つの治療法とは。
です。

押さえておきたい7つのポイントーその1の内容にも重なる部分がありますが、インプラント治療に限らず、「歯科治療を受ける前に二度と虫歯や歯周病にならないお口の環境を手に入れる」という視点はとても大切なので、この機会に是非チェックしてみて下さい。

その7:周囲の歯への影響

インプラントが周囲の歯へ影響を与えることもあります。

それは、「インプラントの向かいの歯、両隣の歯の根っこが割れる(破折)」という事態です。

押さえておきたい7つのポイントーその5でもお話しましたが、本来歯と歯を支える骨の間には歯根膜(しこんまく)というクッションの役割を果たす組織が存在します。この組織は噛む力をコントロールするセンサーとしても役立っています。

一方、インプラントは骨とチタン製のボルトが直接結合しているので(歯根膜がないので)、歯と比較すると必要以上の力で噛んでしまうリスクがあります。

これがインプラントの向かいの歯や両隣の歯が割れる事態に繋がるんです。

噛む度に骨と一体化した金属(インプラント)が激突する向かい合う歯は強い力を受けそうですが、インプラントの両隣の歯もインプラントと同じ力で向かいの歯に噛み込むので割れてしまうリスクが高まってしまいます。

特にインプラント周囲の歯が、「神経の治療をした歯」の場合は注意が必要です。
(詳しくは、驚愕の事実!歯の神経を抜いたらどんな結末が待っているのか?を参考にしてみて下さい)

あなたが取るべきアクションプラン

インプラントの向かいや両隣が神経の治療をした歯だからと言って、必ず割れてしまうわけではありません。飽くまで「神経がある歯に比べると割れてしまうリスクが高い」というだけです。

その7:周囲の歯への影響に関してはインプラントを入れると絶対に起こる事態ではなく、「そういう可能性もある」という程度で覚えておいて下さい。

とは言え、歯が割れるリスクは減らしておくに越したことはありませんから、念のために「噛む力を自分でコントロールする方法」も最後にお話したいと思います。

具体的には、

  • 食事の時に1口につき30回噛む
  • 普段から歯と歯を離して生活する

という2つの習慣を身につけるというものです。

無意識に食事をすると無駄に強い力で噛んでしまいがちなのですが、1口につき30回も噛むと、食べ物を引きちぎる必要最低限の力で食事ができるようになります。

また何かに集中したり、ストレスを抱えたりすると食いしばってしまうことはよくありますが、これを意識的に行わないようにコントロールすることも大切です。

カチッと噛んだ状態から顎の力を抜くと歯と歯が少し離れる感覚があると思いますが、その状態で普段から生活するイメージです。

歯と歯が触れていない状態の方が、脳の機能も高まりますし、重いものを持ち上げたりする際にも力が入りやすいというデータもあります。

インプラント治療を受ける、受けないに限らず、普段の生活で取り入れたい習慣の一つです。

まとめ

今回はインプラント治療の流れから押さえておきたいポイント7つまでかなり詳しくお話してきました。

インプラントのデメリットに近い部分もお伝えしましたが、あらゆる治療はメリットとデメリットを併せ持っています。決して「インプラントは良くない」と言っているわけではありませんので、勘違いされないようにして下さい。

最後にお伝えしたいのは、「どんな治療も万能なものはない」ということ。治療法というのは、あなたのお口の状況、残っている歯の状態に合わせて選択しなければいけません。

闇雲に「歯がなくなったらインプラント」のように考えるのはとても危険です。

インプラントがベストな選択肢になることがあれば、入れ歯がベストな選択肢になることだってあります。

是非、治療を受ける際には担当される先生とよく相談して、お互いが納得できる治療法を選んでみて下さい。

今回は以上です。


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ABOUTこの記事をかいた人

愛知県一宮市にある前岡歯科医院の院長で、『Dentalhacker』のライター。歯周病治療をベースに、「1本の歯を残す」ことにこだわった診療を行っている。『歯の本当の価値を伝いたい』という想いのもと、”歯ブラシから始まる予防歯科”の大切さを広めている。 たまにやる筋トレとバス釣りが趣味。根は真面目な性格だが、人を笑わすのが好きなので、よくウケ狙いに走る。診療中、患者さんに「最近肥えやーた?(名古屋弁で”太った?”の意)」と言われると、ヒドくテンションが下がるナイーブなハートの持ち主でもある。