虫歯が見つかってもすぐに治療をするのはNG!歯を残すプロが実践する正しい治療手順とは。

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前岡遼馬
このコンテンツは、現役の歯科医師がお口の健康に関する話をできるだけわかりやすい言葉を使って解説するブログ記事です。当サイトの運営はこちらの運営理念に沿って行われています。

「歯が痛くて歯医者に行くと虫歯が見つかった」

そんな時、すぐにでも治療をしてもらいたいと思うところですが、いきなり虫歯の治療をスタートするのはオススメできません。

なぜならあなたの大切な歯を一生使っていくためには、先ずお口の環境を整える必要があるからです。今回は虫歯治療を進める上で大切な手順について詳しくお話したいと思います。

この知識があるかないかで、あなたの歯が残せるかどうかが決まってくると言っても過言ではありません。

最後までしっかり読んで正しい手順を知ってもらえればと思います。では早速いきましょう!

虫歯治療の正しい手順とは?

ステップ1:虫歯の応急処置

先ずは虫歯の進行度合いを診断し、適切な応急処置を行います。

まだ表面的な虫歯であれば、特に削ったりなどの処置はせず、虫歯の進行を止める薬(フッ素)を使ってもらいながら経過を追いますし、虫歯が少し深くて歯の組織が柔らかくなっている場合は、必要最小限の範囲で削り取ります。

その後は、仮の詰め物などをして虫歯の進行を止める処置は一旦終了します。ここで最終的な治療を行わないのがとても大切です。

ステップ2:お口の環境を改善する

次に行うのが、生活習慣を少しずつ変えて、お口の環境を改善することです。

なぜこんな面倒なことをするのかと言うと、「虫歯ができるのは必然だから」です。

「虫歯は偶然できる」と勘違いしている方が多いのですが、そんなことはありません。生活習慣が大きな原因ですが、普段から甘いものを頻繁に飲んだり食べたりしていたり、唾液の量が少なかったり、お口の中の細菌の数が多かったりと、虫歯ができやすくなる条件が必ずあります。

つまり、この条件(お口の中の環境)を変えずに虫歯の最終的な治療を行っても、数年後には必ず同じ場所が再び虫歯になります。

ダイエットを例に挙げれば、炭水化物&カロリーてんこ盛りの食事を続けている人が、食生活を変えずにジムに通うようなものです。いくら筋肉を付けても、有酸素運動でカロリーを消費しても、そもそもの太ってしまう原因の部分にアプローチ出来ていないので、いつまで経っても痩せることはありません。

虫歯の治療でも全く一緒です。虫歯になった原因を解決せずに治療だけをしても、意味がありません。時間とお金の無駄です。

そして、そもそも歯科治療と言うのは、何度も受けていいものではありません。歯は治療を受ければ受けるほど、その寿命が短くなってしまうからです。

一生自分の歯で過ごすための秘訣は、歯科治療を受けるのを人生で一度きりにすること。そのためには、お口の病気にならないための正しい知識を身につけ、生活習慣に取り入れる必要があるんです。

このステップ2がいかに大切か、何となく分かって頂けたでしょうか?

具体的なノウハウや知識に関しては、

歯磨きで虫歯は予防できない!プロが実践する虫歯予防をすべて公開!

こちらの記事を参考にしてみて下さい。

ステップ3:虫歯の最終的な治療

ステップ2の内容を実践してもらった上でプロの目でお口の中をチェックし、新しい虫歯をつくらないで済むような生活習慣を身につけられたと判断できれば、最終的な虫歯の治療を行います。

このタイミングまで虫歯を応急処置だけにしておくのにも理由があります。

それは、「治療が終わった」となると、人は安心してしまうからです。ステップ1で虫歯の進行を止めるだけの処置で終わらせているのは、自分の歯に関心を持ち続けてもらうためです。

「最終的な治療ではなく、あくまで仮の治療までしかしていませんよ」という状態にすれば、再び虫歯になってしまわないように知識を身につけようという気持ちが出てきやすくなるのです。

二度と虫歯にならないための知識を身につけてから最終的な治療を行わないと、あなたは「歯医者のいいカモ」として残りの人生を過ごすことになってしまいます。

そして、自分の大切な歯を失わないためにも、これまでお話した3ステップは意識してもらいたいと思います。

3ステップで治療をしてくれない歯医者の場合はどうすればいいのか?

ここまでお話した3ステップの治療は、あなたが歯医者の治療から解放されるために必須な考え方なので、「歯科医師としてやるのが当然」くらいに僕は考えていました。

ところが、実際にこのような手順で治療を行ってくれる歯医者は少ないようです。

それもそのはずで、3ステップの治療を行うと必然的に治療期間が長くなってしまいます。患者さんによっては長々と通院させられている印象を受ける方もいますし、手っ取り早く治療を終わらせてもらいたいという方もいるかも知れません。

僕の場合は予め患者さんに説明しているので、同意して頂けない場合はそもそも治療をスタートしませんが、規模の大きい医院ではそうはいきません。

人件費をはじめとした莫大な経費がかかってくるので、「来るもの拒まず」といった診療を行わなければ医院経営が成り立たない現状があります。

つまり、患者さんの数が減ることにもなり兼ねない治療方針を打ち出すことはリスクでもあるのです。また、患者さんが二度と虫歯をつくらないお口の環境を手に入れることは、自分たちの仕事を減らすことに繋がるのも事実です。

残念ながら、保険治療では様々な制約によって集客や経営の側面でも、本当の意味で患者さんの役に立つ治療を提供できない環境が日本にはあります。

ただ、だからと言ってあなたが自分のお口の健康を諦めてもいい理由にはなりません。歯医者に頼らずに自らの手で「一生治療を受けない生活」を手に入れなければいけないのです。

そのためには、ステップ2でお話した内容を自分の中でしっかりと理解し、実践していくべきなのです。

いきなりステップ3の最終的な虫歯治療をしてしまう歯医者が多い中で、自分の歯を守るためには、予防の知識を「歯医者に教えてもらう」のではなく、「自分で手に入れにいく」姿勢が必要です。

そのための情報はすでにこのデンタルハッカーに集約されているので、他の記事も参考にしながら正しい情報に触れてもらえればと思います。

いきなり虫歯の治療をするのはオススメできない、もう一つの理由

ここまでは虫歯の治療手順に的を絞ってお話してきましたが、もう一つ、「いきなり虫歯を治療してはいけない理由」をお伝えしたいと思います。

実は、「単純に1本の虫歯があるだけ」という状況で歯医者を訪れる患者さんはほとんどいません。

定期的に歯医者に通ったり、正しいお口のケアを身につけていない方なら、虫歯だけでなく歯周病がお口の中全体に広がっているケースがほとんどです。

この状況では炎症を起こした歯茎から出血しやすい環境になっているので、虫歯の治療をする際に正確な処置が出来ないのです。

虫歯を削って白い詰め物をする治療(コンポジットレジン治療)では、血液などの水分が周りに多いと詰め物が歯に上手く接着してくれません。そのため、「治療をしてもすぐに詰め物が外れてくる」といった自体になる可能性があります。

また虫歯が大きく、歯を削って金属の詰め物や被せ物をしなければならない状況でも、歯茎から出血してきてしまうと型取りが正確に出来ません。結果的に出来上がってくる模型もお口の中の歯の形とは異なるものになってしまいます。

金属製の歯の詰め物や被せ物は、歯科技工士と呼ばれる職人さんが歯科医院から送られてきた歯の模型に合わせてオーダーメイドで作ります。この時、お口から取った型が正確でなければ、仕上がる詰め物や被せ物は模型にはピッタリ合っていても、実際のお口では歯に合っていないものになってしまうんです。

歯に合っていないまま、お口の中にセットされるようなことになってしまえば、当然被せ物と土台の歯との隙間から虫歯が起こりやすくなります。

特に保険治療では、詰め物や被せ物の精度が低くても、そのままセットされることが多いと思います(やり直せばやり直すほど赤字になってしまうため)。

このような事態を防ぐためにも、虫歯だけでなく、歯周病のケアも平行して行う必要があります。

「いきなり虫歯の治療をして終わり」だと歯がなくなる!?

先ほど、「歯医者の治療を受けに来る方のほとんどは、お口全体に歯周病が広がっていて歯茎が出血しやすい」と言いましたが、歯茎から出血するだけでは済まないのが歯周病の怖いところです。

歯周病という病気はあなたが歯を失う最大の理由です。虫歯のあるなしに関わらず、歯周病が進行すると歯が根本からグラつき始め、噛めなくなってしまいます。

その後、さらに歯の周りの骨が溶けてしまうと自然に歯が抜けてしまうこともあります。歯が残るか残らないかに直接的な影響を与えるのが歯周病という病気です。

つまり、歯周病のケアをせずに患者さんが望む虫歯の治療だけをしても、意味がないのです。将来、歯周病で無くなることが目に見えている歯に対して時間とお金をかけて治療をするのは、無意味だと僕は考えています。

実際、小さな虫歯ができただけで抜歯になってしまうことはありません。多くの場合、虫歯が原因で抜歯になるのは何度も治療を受けて歯が無くなっていたり、歯の根っこ深くまで虫歯が進行してしまったり、治療の結果で歯が割れてしまったりと、何度も歯医者の治療が絡んだ時です。

歯医者に何度も触らせないためには、先ほどお伝えしたステップ2を正しく実践することがとても大切なのです。

虫歯自体は仮の処置で進行を止めて、原因となる生活習慣を改善出来ていれば、最終的な治療まで急いで行う必要はありません。

それよりも、歯周病をしっかりと改善して歯が残せる環境を作り、歯茎から出血がない状態で正確な治療を受けた方が、虫歯治療のやり直しも減って歯の寿命は圧倒的に伸びます。

是非、虫歯をきっかけに自分のお口に関心が出たタイミングで、「歯周病に関しての正しい知識」も身につけてもらえればと思います。

詳しい内容は、

【完全保存版】自宅で出来る、本当に正しい歯周病の予防法

にまとめてありますので、チェックしてみて下さい。

まとめ

今回は「虫歯治療の正しい手順」というテーマでお話しましたが、あなたの歯を残すためにとても大切な視点を盛り込めたと思います。

自分が気になっている歯(主訴になっている歯)の治療を受けることは大切ですが、その先にある「一生自分の歯で過ごすために身につけるべき知識やテクニック」にも目を向けることが、歯を残す上ではもっと重要です。

虫歯ができた→治療を受ける→「ああ良かった」

の繰り返しではあなたのお口の環境は何も変わりません。再びトラブルが起こるのは時間の問題になってしまいます。

「そもそも歯医者で治療を受けなければいけなくなった原因は何か」、そして「その原因を取り除くためには何が必要なのか」を是非、考えてみて下さい。きっとあなたのお口の環境は劇的に良くなるはずです。

一緒に歯科治療を受けずに済む生活を手に入れていきましょう!

では、今回は以上です。


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2 件のコメント

  • はじめまして。
    記事を色々と読ませで頂きました。歯の治療のことで悩んでいるのでアドバイス頂きたいです。
    下の臼歯奥から2番目ですが、何年も前から(20年ほど前だと思います)詰め物になっていました、半年ほど前に外れてしまい、歯医者で、治してもらいましたが、何となく痛みがあります。外れたとき、中の歯は黒くなっており、自分では長年の金属の着色か?虫歯が進行しているのか?わかりませんでした。行った歯医者さんは保険治療をしない歯医者さんで、とれた詰め物は戻さず、セメント?を詰めるだけの治療で終わりました。なるべく歯を削らず、噛み合わせの調整や歯が悪くなる原因などレクチャーに時間をかけられる良心的な先生だと思いますが、その個所が痛くなっているようなので、中で虫歯が進行してるんじゃないかと不安になりました。そこでいくつか質問なのですが、歯の保存の観点では一度削ってしまった歯の虫歯の再発はやっぱりその個所をさらに削って詰め物をする治療が最善なのでしょうか?私が診て頂いた先生のように、虫歯の個所を削らず(結局虫歯なのか、金属の着色なのかわからなかったのですが。。)、今回のように形だけ補う最低限の治療でも、良かったんでしょうか?痛みがすこしあっても放置していていいものか。。また、その治療以来、咬合面にセメントを入れてるだけなので、側面の部分が詰め物の時と違い少し空いてしまっていて、食べ物が毎回つまってしまいます。そこから虫歯が発生しやすくなるので良くないのでは?とも思います。もう一度同じ先生に診てもらうべきか、他の歯医者さんへ行くべきが悩んでしまいます。前野先生の記事を読んで以前から自分が疑問に思っていたことなど、凄く納得がいって診察が受けれたらいいなと思いますが、遠方なので残念です。
    あと、口腔内の環境の良くするために、咬合の調整で、歯のエナメル質を少し削るということは問題ないのでしょうか?そのとき、健全な歯を少しでも削るというのがどうかと思ったのと、先生も今は自覚症状がないようなのでやらなくていいでしょうと言われたので、やりませんでした。削るといっても数ミクロンの単位なので影響はないようにもおっしゃっていました。
    長文になってしまいすみません、ご教示頂けましたらうれしいです。

  • まつなさん、コメントありがとうございます!
    お口の中はなかなか見えづらいので、自分の歯がどんな状態になっているのか不安になる気持ちはとてもよく分かります。
    コメントの内容からも色々とご自分で調べられたのが伝わってきます。

    僕なりに考えたことは少なからずありますが、実際の歯を拝見していない以上、「何とも言えない」のが正直なところです。
    実際に治療をされた先生が責任を持って介入されたことなので、疑問を持たれた内容は先生の直接質問してみるのが
    一番だと思います。
    自費専門の歯医者であれば、記録もしっかり残っているでしょうし、治療内容も時間をかけて説明してもらえるはずです。

    もし、不安なことがあれば、別の先生に「セカンドオピニオン」という形で診断をしてもらうこともできます。
    診察をせずにネットだけで安易な答えを求めてしまうと、大切な歯の寿命を短くすることにも繋がってしまいますので、
    直接信頼できる歯医者を受診して相談してみてください。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    愛知県一宮市にある前岡歯科医院の院長で、『Dentalhacker』のライター。歯周病治療をベースに、「1本の歯を残す」ことにこだわった診療を行っている。『歯の本当の価値を伝いたい』という想いのもと、”歯ブラシから始まる予防歯科”の大切さを広めている。 たまにやる筋トレとバス釣りが趣味。根は真面目な性格だが、人を笑わすのが好きなので、よくウケ狙いに走る。診療中、患者さんに「最近肥えやーた?(名古屋弁で”太った?”の意)」と言われると、ヒドくテンションが下がるナイーブなハートの持ち主でもある。